ヴェッキオ宮殿を中心に広がるフィレンツェは、ダ・ヴィンチの後援者としても知られたメディチ家が栄華を極めた街です。イタリアで最も美しい都市国家のひとつであったこの街は、いまも至るところにルネッサンスの趣を残しています。シニョーリア広場に面したヴェッキオ宮殿が建造されたのは13世紀であり、16世紀に統治者コシモ・イル・ヴェッキオが住んでいたことからヴェッキオ宮殿と呼ばれることになりました。現在は市庁舎としても使用され、その宮殿内で婚姻式が行われるのは、地元の人々の挙式にも利用される「深紅の間(サラ・ロッサ)」です。市議の前で愛を誓い、市民同様に婚姻台帳に署名し、この手続きでふたりのウェディングはフィレンツェ市に永遠に記録され、帰国後婚姻届に添付することにより戸籍には「イタリア国方式により婚姻」と記載されます。フィレンツェのシンボルとも言えるヴェッキオ宮殿は観光スポットとしても人気ですが、一般公開されていない「深紅の間」は挙式のためだけの特別なサロンです。