マントンは、レモンと穏やかな気候、そして芸術家のジャンコクトーで有名な南仏にあるイタリアの隣街。マントンの市庁舎には、ジャンコクトーが名画を壁面いっぱいに描いた「結婚の間」と呼ばれる部屋があり、信仰と関係なく挙式ができる。コクトー好きの新婦がかつて旅行で訪れ、奇しくも観光できなかったマントン市庁舎の「結婚の間」。こちらで是非挙式をしたい、と私たち夫婦は思いました。日本で「結婚の間」での挙式実績があるのは、リージェンシー・グループのみ。そこで2泊3日の挙式プランをリージェンシー様にお世話になることに決めました。
仕事柄、休みの少ない私達は、1年近く前からリージェンシー様とやり取りさせていただいておりました。コロナ禍、フランスのインフレ、円安といった社会状況の影響で、実のところ、一筋縄ではいかなかった挙式の準備。多少の不安を胸にマントンに向かった私たちですが、ホテルについた瞬間、その不安は消し飛びました。現地スタッフの方々は皆さん親切で、用意していただいたホテルナポレオンの広いスイートルームの窓やテラスからは、綺麗な海が見渡せました。また、内装はジャンコクトーの作品やモチーフで溢れ、ホテルの廊下にも所狭しとコクトー作品が並んでいました。こんな家に住みたいと心から思った私たちです。挙式の前日には、個人的に予約した世界一のレストラン「ミラズール」へ。次の日が挙式だと伝えたら、帰り際に芍薬をふんだんに使った素敵なブーケをプレゼントしてもらいました。
挙式当日の朝は、マントンには珍しく生憎の雨。現地スタッフの方から挙式後の写真撮影をどこか室内で検討し直していると伝えられながら、新婦はヘアメイク。その後、スモークサーモンとフルーツの盛り合わせ、シャンパンをホテルからいただいて、あっという間に挙式の時間。奇跡的にまた晴れ間が広がりました。気さくなカメラマンたちと写真・動画の撮影が始まり、念願のマントン市庁舎へ車で向かいます。沢山の市庁舎の職員の方々に迎えられ、念願のジャンコクトーの壁画を目にできた瞬間には感無量でした。挙式は、滅多にないという市長さんから直々に取り行っていただき、その後、職員の皆さんとシャンパンやお菓子でお祝いをしてもらいました。挙式の後は、ジャンコクトーの美術館を一時貸切にしていただいて写真・動画撮影。当初プランにはなかったため、芸術好きの私たちには大変嬉しいサプライズでした。その後は、海辺で写真・動画撮影。カメラマンのお二人と愉快な撮影会を楽しませていただきました。
出来上がった写真と動画は、今でも何度も見返して楽しんでいます。すみっコぐらし好きの私たちに対して、ぬいぐるみを含めた撮影会を快く引き受けてくださったお二人には感謝の気持ちでいっぱいです。南仏の中では、あまり知られていないマントンかもしれませんが、その分、観光客も少なく、挙式の場所としては非常におすすめできると思います。結婚式は一度きりと言わず、何回でも挙式をしたい、そのような気持ちにさせていただいた、現地スタッフとリージェンシー・グループの皆様に心から感謝申し上げます。